日時:12月6日 13:30〜
会場:岡谷市役所
議事
1)インターネット受注研究会より挨拶
最初にインダストリーウェブの代表である大橋氏より挨拶
その後、岡谷市の経済部長である小口氏より挨拶があった。
岡谷市としても研究会の独創性を尊重しながら支援をしていきたいとのことであった
2)調達フォーラムより挨拶(S社のK氏)
調達フォーラムは、B社のH氏とメーリングリストの発起人として、B社のサーバーを借りて、
今年の1月から勉強会をスタートした。10名 くらいでスタートしたのが、100名位に増えている。
夏から慶応大学の学生さんなどが参加して新しい調達モールを作り始めている。
我々は一社を代表するのではなく調達のためのシステム作りをやろうとしている。
ここからパス研究所の西沢さん(岡谷市活性化のアドバイザー)に司会がバトンタッチした。
まず諏訪インターネット受注研究会から4つのテーマが出されて、コーヒーブレイク、質疑という予定。
質疑はセッションごとにやって、そのあと4時半から懇親会で深い議論をしたい、
また徹夜でやりたい人の場合にはそのための場も用意しているということであった
このあと簡単な自己紹介があってセッションがスタートした。
3)自己紹介
慶応大学のM氏:
グローバルプロキュアメントマーケットというサーバをたちあげようとしている。
慶応大学のS氏:
F社から慶応にいっている。
Mさんと同じ研究室でバーチャルコーポレーションを研究している。
他に「大手を含む活発な企業の資材調達、情報関係の担当者の皆さん 」
S社 K氏、D社Y氏、S社M氏、M社M氏、T社N氏 、Y社S氏 、
M社 O氏、T社O氏、M社N氏 D氏、M社T氏 、S社S氏
が参加していただいており自己紹介をしていただいた。
諏訪のLCVの河西氏:
映像の中に何らかの形でデジタル伝送を含めていろいろ考えている。
(LCVとは諏訪のケーブルテレビジョンで現在の加入率は85%である。)
インダストリーウェブ研究会の岩田氏:
本業はセイコーエプソンで製造装置の設計。インダストリーウェブの活動は個人としてやっているもので
セイコーエプソンとは基本的には無関係である。(インダストリーウェブは信州オンラインというエプソンの子会社の
サーバ上にあるため誤解されやすいが、セイコーエプソンとは関係ない)
チノンの木下氏:
スマートレイク研究会に会社の代表で出ていて、受注研究会にも参加している。チノンも金型の受注などをやっている。
高島産業の桜井氏:
時計部品・電子部品など小さいものを加工している会社で、開発部で社内のネットワークなどコンピュータ関係をやっている。
また、インダストリーウェブ研究会のメンバーでもある。
茅野工業の小川氏:
プレス関係の仕事をやっている。
インターネットの利用で小さな会社でも大きな会社に役に立ってもらえるのではとホームページを開設している。
マルゴ工業の柿崎氏・有賀:
主に精密加工・組立てを請け負う会社。
諏訪工材の小林氏:
プラスチック・シートの加工などをやっている。
日本青銅の増沢氏:
金属材料の加工・販売をする会社で、本社は東京、工場は諏訪にある。
インダストリーウェブ研究会やインターネット受注研究会のアプローチに興味がある。
ダイヤ精機の小口氏:
切削加工による精密機械加工をやっている。時計などの製造装置の単品ものの加工をやっている。
電子メールで開発部門の人間と設計変更などの情報交換ができるのがいい。
また電子メールで図面のやりとりなどができてこれは便利だなと思った。セキュリティ上問題はあるが、便利である。
コジマ工業 の小島氏
板金加工業をやっている。
岡谷市景観情報室の小宮山氏
岡谷市商工観光課 主幹の小泉氏
岡谷市商工観光課の浜氏
テクノクリエイティブズの大木氏
パス研究所の西沢氏
長野県テクノハイランド開発機構
諏訪テクノレイクサイド支部の宮坂氏
インダストリーウェブの大橋氏
中央大学の出口先生
企業間のアウトソーシングの研究をしている。
この他慶応大学のSFCの学生さんが4人参加していた。
【岡谷氏のCD−ROMについて】小口氏
岡谷市では共同営業開拓ということで、CD−ROMの紹介が行われた。
まず、96年度版のCD−ROMの紹介があり、ついで開発中の97年版のCD−ROMの紹介があった。
97年版のCD−ROMの特長は、従来のようなソフト開発言語ではなく、HTML言語を使用して
ブラウザで閲覧できることであり、そのまま各企業のホームページにアクセスできるようになっている点である。
現在、97年版のCD−ROMを作成中である。
数量は3000枚程度を予定している。概略は1000社、詳しい情報提供は100社程度を想定している。
(96年版の内容の一部は、インダストリーウェブ上で見ることができます
URL: http://shinshu.online.co.jp/business/industryweb/indu_w/kigyou/kensa1.htm )
【インダストリーウェブの活動】岩田氏
1994年に松本空港がジェット化して記念イベントがあった。このとき大橋氏などを中心として
省エネカーフェスティバルというのをやった。これがきっかけで1994年8月に電気自動車を研究する
「諏訪湖電走会」というのがスタートした。
諏訪湖電走会は1995年5月に秋田で行なわれたバッテリーカーの競技会に参加して決勝13位となった。
これが現在のインダストリーウェブの母体となった。現在会員は30人くらいである。
インダストリーウェブは、インターネットやCALSで何かできないかということで諏訪電走会の中からスタートした。
それが1995年の8月頃である。
立ち上げの経緯は、1995年11月に東京理科大学の諏訪短期大学のサーバーで試験的にスタートし、
1996年4月に信州オンラインの中で正規にスタートした。
11月には、アクセス数(表紙にアクセスした数のこと。これに対しヒット数というのは、
一般にアクセス数の5〜10倍 と言われている)で2万アクセス/月を突破した。各方面から喜ばれている。
12月になってインダストリーウェブを旗頭に、諏訪バーチャル工業団地というのを立ち上げた。
これは後で大橋氏から説明がある。
インダストリーウェブは、現在700〜800のメーカーにリンクをはり逆にもリンクをはってもらっている。
製造業の人に役立つページとし、逆に製造業以外の人には見てもらわなくてもよいというくらいの気持ちでいる。
(今回の交流会のおまけとしてインターネット受注研究会の情報をフロッピーディスクにして配布した)
【諏訪バーチャル工業団地】大橋氏
諏訪バーチャル工業団地を立上げようという話があった。きっかけは岡谷のCD−ROMである。
これをインターネット上で供給できたら素晴らしいと思った。
これがインターネットの上で出来れば、もの作りをバックアップできる中小企業のデータベースが
つくれるということになると考えた。
最初はCALSに着目したがインターネットが出てきたことでこれを使わない手はないということになった。
そこでまずインダストリーウェブができ、その上にバーチャル工業団地作りが始まった。まず10社が参加している。
これは各々の企業で独自に作ってもらってリンクするわけだが、企業ホームページの作り方そのものについての
情報提供もしようと考えている。
なお今回はVRML版を作ってみた。むろんこれで仕事がとれるわけではないが、話題性としては面白い。
規模については、今は実験なので10社に絞っていろいろやりたい。
(VRMLのプラグインがあれば楽しめるので楽しんで欲しい。・・・Netscape3.0には標準装備)
ウェブページも要はデータベースだという割り切りでページを作っている。ただデータとして何が載っていればいいかは
模索中である。いろいろ教えて欲しい。
今回バーチャル工業団地として、企業の羅列だけでは駄目ということで「インフォメーションセンター」というのを
作ろうとしている。
実験と思っているのでバーチャル工業団地のノウハウを全部公開したいと思っている。
インフォメーションセンターで地域の情報などを紹介することを考えている。
諏訪バーチャル工業団地のワッペンを発行し、これでその企業がある程度信用できることなども示せるようにしたい。
またその企業の受注余力の情報などもリアルタイムに表示できる可能性を試したい。
いまコジマ工業さんのページでこの受注余力の表示を試している。
【諏訪地域のインターネットの利用状況とインフラ】大木氏
信州オンラインを立上げたのは昨年の11月であった。長野県に関する情報発信をするというポリシーでやっている。
セイコーエプソンの子会社なので製造業の情報からスタートしようと思ったが、始めたのが冬であったので
スキー情報からスタートした。
地域の取り組みは岡谷市、諏訪市、茅野市の順で熱心だが、製造についての情報は岡谷市、諏訪市だけである。
諏訪地域は工業が発達していてパワーがあると見られるが、パワーがばらばらであり、元気のいい会社は元気がいいが、
隣のことは知らないという部分もある。そこでそれをインターネットでなんとかしたいということで
スマートレイクで動いている。
信州オンラインで・・・社程度にダイレクトメールを出したが乗ってくれたのは・・社程度であった。
今もビジネスのところで製造業のページがあるがそれほど多くない。
地域活性化という観点から、主な企業をまわってみたが、インターネットの環境は、電子メールレベルで、
ホームページは立ち上げたが、やってみただけという程度のところが多い。
長野県の企業は大企業、中企業、小企業の三角形だが、20人以下の企業が80%程度で小企業が多い。
インターネットをうまく使えば手を結ぶ可能性があるがまだインターネットを使う企業は少ない。
ただしプロバイダーは多くある。見るほうはインターネットを見ていると思われる。
信州オンラインは・・万アクセス/月程度である。そのうち1割が製造情報という感じで、まだスキー情報などが多い。
質疑:認証やネットワーク受注を充実する予定はありますか?
大橋さん:だれがやるかいろいろ問題もあって議論の分かれるところですが、今後実験、拡充していく予定である。
また現在は岡谷市商工観光課にメールが出せるようになっているので、自治体から認証されていることは
わかるようになっている。
3時のコーヒープレイクで「ネットワークを利用した資材調達についてのニュース」(NHK)のビデオを上映した。
またJETROのページの鑑賞もあった。JETROのページでは、HSコードという税関申告のときに使うコードを利用して
どういうものが欲しいかというのを登録することができる。
ここから第二セッションで5つのテーマで発表がある。
【FPANの活動について】K氏 S社
調達フォーラムのメーリングリストは、調達活動をしている人にHさん、Kさんなどが呼び掛けて始めたものである。
当時は資材VANで購買をやっていた。しかしいずれはインターネットを利用した調達活動に移るだろうということで、
他社は何を考えているのだろう、協調してやれることはないだろうか、など考えたのがきっかけであった。
CALSは仕様の詰めに入っているわけだが、やりとりする情報のフォーマットについては SGML,STEPなどの規格を
用いると考えている。
CALS,EDIが企業活動の中心になってくるとして、業界ごとのCALS標準が決まるのが98年中である。
以下割愛
【エクストラネットの資材調達での利用】Y氏 D社
Y氏はものづくりの現場で、調達した部材を支給して、それを加工して納品してもらう協力会社とエクストラネットの
構築を担当している。
調達フォーラムには資材の人間が参加している。(Y氏は製造部門)
以下割愛
【インターネットを利用した購買活動】S氏 S社
S社のホームページに資材購買のページを設けている。家電部門である。この分野は競争が厳しく安い価格のところで
勝負する必要がある。
経費削減は部品単価を落とすしかない。そこで広く世界から安い部品を購入したいということで資材交流を
やろうとしている。
いろいろ品質や認証の問題もあるが、そういうことをいっていては・・・円といった価格帯では勝負できないので
どんどんいきたい。
今後、諏訪地方とS社の資材とを橋渡しして部品をお願いするなど、関係を持ちたいと考えている。
質疑:図面を出すことで資材の人間は抵抗がややあったが、概略の寸法程度なので最初の問題をクリアしたあとは
すっきりした。値段を出して手をあげてもらいたいがそこまではできかねている。
【GPOM研究発表】M氏 慶応大学
GPOM グローバル調達ネットワーク
M氏の研究テーマは、バーチャルコーポレーションである。
経営資源を外部調達するバーチャルコーポレーションという形で経営資源を外部調達するアプローチに興味を持った。
バーチャルコーポレーションはいろいろな人がいろいろ言っているが、三つの定義があると思う。
第一に従来からの企業間のつながりを利用したアウトソーシングなどを利用したバーチャルコーポレーション、
第二は従来からの企業間のつながり+ITを利用したバーチャルコーポレーション、
第三がITだけを利用したバーチャルコーポレーションである。
M氏はこの第三のバーチャルコーポレーションとして研究している。
経営資源の外部調達の中で、エリアベストからグローバルベストへと向かうことで効率が向上することになる。
インターネット上の資材購買は今年くらいから始まったが、この資材購買を加速させることで
バーチャルコーポレーションが加速すると考えて、GPOMを考えている。
これはバイヤーとセラーをマッチングさせる場であると考えており、企業情報や信用情報を付加して企業情報を
マッチングさせようと考えている。
GPOMは11月にアドレスを臥してプレスリリースをした。第二段階でセラー、バイヤーのネットワーク上での
自動登録や信用付加サービス(電子会議)などを今年末までにサポートしたいと考えている。
これは今年の末の予定。第三段階でSQLサーバとの接続などを考えている。
現在は部材という経営資源のマッチングであるが、人材などについてのマッチングもやっていきたい。
技術情報についてもマッチングを考えたい。
【国際資材調達フォーラムについて】 N氏・D氏、M社
国際資材展で、逆見本市、つまり買うほうの人の見本市を考えている。
インターネットの調達ページを持っている人は、サーバー上と現実との接点を展示会で見い出して欲しいと考えている。
必ず一回はFace to Faceで会う機会を提供する。
第二回は1997年4月16〜18日に東京ビックサイトで開かれる。
第一回は台湾が多かったが、今年は国内も多く参加してもらって、そのURL情報などのデータを集めれば、
大手の調達サイトにとってもアクセスが増えるなど魅力があるのではないか。ぜひ出展して欲しい。
以上でメインの会議は終了した。
この後、別室にて懇親会を行ない、お酒の入った席でお互いに名刺交換や情報交換が行なわれた。
懇親会終了後、希望者のみで2次会に移行した。
会場となったスナック「かれん」は、インダストリーウェブ主催で「インターネットカフェ」ならぬ
「インターネットスナック」を開催している場所である。
2次会では、さらに突っ込んだ討論や脱線した(?)話題で盛り上がり、「人と人のつながり」という面で
非常に有意義な時間を持つことができた。
以上